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2006年01月27日

●バイラルマーケティングの失敗例

口コミでバイラルマーケティングを仕掛けるのはいいのですが、「作られた口コミ」は逆効果になるのがオチです。なぜならそこには真実が見えてこないから。消費者は敏感です。隠されたウソなどすぐ見抜きます。

その典型的な例がSONYのウォークマンマンブログ。事の顛末はSONYが新しいウォークマンを発売するにあたり、戦略広告としてブログを利用しようとしたところから始まります。普通の企業広告ブログだったら良かったんですが、何を思ったのかモニターの人の体験記というカタチを取り、口コミを発生させようと仕掛けられたものでした。(今は消されています。)

何が問題だったかと言うと、ライバルのiPodメーカー「Apple」を誹謗中傷してしまった事。そして記事がウソで塗り固められたものだった事。ウソを隠すために更にウソで塗り固めていった事。結果、閉鎖という形になるのですがSONYからは公式な謝罪が何も無かった事。

結局一番の問題は「ヤラセ」だったという点ではないでしょうか?ウソの情報だったわけです。ネット上では情報を探しに来ている人がほとんどなので、ウソの情報は意味が無いわけです。そしてそれがウソだと分かった時、事態は逆方向に動き出します。


ウソは必ずばれます。特にネット上に公開するという事は、多数の特定分野の専門家の目に触れるという事を意味します。そういう人たちを全て騙せるはずがありません。

そしてウソがばれた日には意図する方向と逆方向の口コミが発生します。全くの逆効果になるわけです。特に今は商品やサービスを買う前に、必ずネットで評価などの事前情報を調べて買う人が増えています。口コミというものはうまく使えばかなりのプラス効果が期待できますが、使い方を誤ると致命傷レベルのマイナス効果となります。そして口コミはどのように変化したとしても完全に制御する事は出来ません。

企業PRや商品PRでブログを有効活用するには、よほどうまく戦略を練らなくてはいけません。社長や開発者が自ら書き込むようなブログはいいんです。でも一般消費者を装ったような「情報を操作しようという」ブログは絶対にしてはいけません。自分で自分の首を絞めますよ。

ブログでもうひとつ怖いのは情報が全て蓄積されて残るという事。何かあった場合にサーバーから削除して「はい、終わり」とはなりません。キャッシュも残りますし、ご親切にログを取っている人もいます。ネットに公開した時点でそのデータはもうあなたの手を離れるのです。そういう意味ではウソなんて通用しません。情報を後から書き換えたとしても、元データはどこかに残っていますので…。

これは怖いです。あなたの取った行動の履歴が残るのと同じ事ですから。あなたと初めて会った人が、あなたという人はどういう人だろう?とネットで検索した時に、ネットで公開した過去の行動が全て分かるんです。

ブログの普及で、個人でも簡単にネット上に情報を公開できるようになりました。でも負の面がある事も忘れないで下さいね。ネットというものは諸刃の剣なのです。あなたを成長させるツールにもなり得ますし、あなたの首を絞める事にもなり得ます。良い方向に有効活用したいものです。





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