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2005年12月28日

●良い意味で期待を裏切る

「右肩上がりの売り上げ」でも書きましたが、「良い意味で期待を裏切る」というのは非常に重要な行為です。特にビジネスの世界では色々な面で有効活用が出来ます。

これは商品販売でもサービスでも使えますし、店舗でもホームページでも現場でも使えます。業種や形態にとらわれず通用する方法です。

実際に僕が体験した例を少しお話します。ある飲食店の例です。


「北海番屋」というお店があります。連日満席で流行っているお店です。客単価は高いと思います。高くなってしまう理由も分かりますが…。この北海番屋に両親を結婚記念日のお祝いとして連れて行ったのですが、父親が北海道出身という事もあって料理自体はすごく満足してくれたようでした。確かに料理はどれも美味しかったです。

でもこのお店の本質はサービスなのではないかと…。接客がとにかく素晴らしいんです。気持ちよく食事が出来るんですよね。この「心地良さ」というのは何につけても大事です。いくら料理が素晴らしくても「心地良く」無いと美味しくありません。料理は目と口と心で食べるものなんです。

オープン直後だったせいかもしれませんが、店員さんがメニューに載っていない試作の料理を持ってきて、直接販売するような事もしていました。試作なので単価は安く、その代わり感想をもらうような感じでした。これは上手です。接客が心地良いので思わず注文してしまいます。現にほとんどのお客様のところで注文されていました。

こういうのも客単価を上げる取り組みですね。一人一品多くなるだけでもお店としての売り上げは上がります。

帰り際の会計時の事。両親の結婚祝いでしたので会計は僕が持ったのですが、よくあるレジ前での「今日は払うよ」「悪いよ」の応酬。その模様を見ながら店員が一言。「お客様、今日は何か記念日でしたでしょうか?」

両親の結婚記念日である事を告げると、お祝いの言葉と共に、レジで販売している北海道直送のチョコレートを「お店からの気持ちです」と頂きました。すごく嬉しかったです。最後まで気持ちの良い接客でした。

そして最後の最後で「良い意味で期待を裏切られ」ました。記念日だから何かもらえるなんて思ってもいませんでしたし、何がビックリしたってその店員さんはどう見ても上の立場の人じゃないわけです。つまりは全ての従業員にそういう教育をしていて、それが自然と出来るような体制があるという事です。

これはお店のファンになりますよ。現にこの出来事はもう5、6年前の事ですが、今でもこのお店のファンです。両親も感心していました。「良い意味で期待を裏切る」というのはどの年代層にも使える手なんです。

これは飲食店でのほんの些細な出来事です。でもここから学べる事は沢山あると思います。よくある「記念日に来店したらドリンク一杯サービス」とか「ハガキと引き換えに粗品プレゼント」はもうひとひねり必要という事が分かりますね。「当たり前」や「分かりきっている事」から「感動」は生まれません。「感動」は「良い意味で期待を裏切られる」と生まれるんです。

これはどんな業種にも応用が利きます。あなたは良い意味で期待を裏切っていますか?

PS.ちなみに先日記事で書いた「ざ・うお」も株式会社ペルソナが手がけるお店です。なかなか商売上手ですね。




PS.最近の北海番屋はサービスの質が落ちたようです…。





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